katsuです。
今回も長文です(笑)。
前回、法的規制の斜線制限の話をしましたが、
もう1つ、法的規制で重要なのが「採光」です。
居室には一定以上の光が入ってこなくてはならない、という決まりです。
要は
窓が無いとダメ、ということです。
居室というのは、主にLDKや寝室、和室・洋室といった部屋が該当します。
逆に、トイレや浴室、洗面所、玄関、廊下、納戸やクロゼットは居室ではありませんので、窓がなくてもOKということになります。
図で言うとピンクの部分が居室となります。
ここで、図の洋室は家の真ん中にあって窓がありませんから、ダメ、ということになります。
設計する場合、居室は窓が取れる外周部、窓が不要な収納は部屋の中央部に配置されるのはそういう事情です。
いくら法的に採光が不要と言っても、浴室や洗面所、トイレは外周部に置く事がほとんどです。暗いといやですからね。マンションなんかでは窓なしのケースも多いでしょうが。
ここからかなり
ややこしくなります。
読み飛ばしていただいても結構です(笑)。
では、居室に窓があればOKかというと、そういうわけでも無いんです。
というのは、採光規定は居室の窓が採光に際してどれだけ有効かというのを計算式で出すのですが、その計算に絡むのが境界から窓までの水平距離だからです。
距離が短いほど不利。
窓の上に軒が出ていれば、窓ではなくて軒先までの距離です。
軒先が短い家の場合、この採光が絡んでいるかもしれません。
要は境界に近い窓は光が入ってくる窓とは認めませんよ、ということです。
法律では
境界に近い窓には光が入りにくいという考え方です。しかも2階の窓より1階の窓のほうが入ってきにくいと。
もちろん境界にブロック塀が2Fまでそそり立っている訳ではありませんし、普通は隣家が境界にぴっちり建てることもないでしょう。
が、法律上はそういう考え方なのです。
ですから、境界までの距離が稼げない場合、1階の居室の計算上の採光をいかにして確保するかがプランニングの要となります。
平屋で大きな家の場合も中央の居室の採光が取れないので、建物をコの字型にして中庭を造るケースがあります。これは中庭からの採光を狙ったものです。
以上のように、採光は境界と大きく関係しているので、建物全体の配置(土地にどのように建物を置くか)にも大きく影響を及ぼします。
都心部など敷地一杯に建物を建てる場合、この採光規定というのは頭が痛いですね。
実際この採光に悩ませられたことが何度もあります(笑)。
そのときは、プランを変更するたびに、採光の計算式とにらめっこでした。
施主様もまさかそんなことで苦労しているとは思ってもみなかったでしょうけどねえ。
「さあ、設計でもするか」1から読む